【日本とアメリカの違い】海外赴任中に退職を申し出たときの話

2020年2月9日

 

 

 

先日英語で新しい仕事が見つかったことについて書きましたが、

【英語力進捗】渡米14ヶ月、英語で仕事が見つかりました

その会社への入社を決意し、先日、赴任中のアメリカの会社と日本の会社両方に退職する意思を伝えました。

 

海外赴任は会社的にも将来を見据えた投資的な意味合いもあるため、交渉が難航しそうだなーとある程度覚悟はしていたのですが、、想像以上にがっかりする結果になりました笑

そこで感じたアメリカ企業と日本企業の転職に関する考え方の違いについて書きたいと思います。

 

 

日本の上司への退職申出

 

まず日本側に退職を伝えたときの話です。当ポジションの人事責任者である課長に時間をもらい、退職意思を伝えると、、まあ簡単に言うと怒られました笑

「お前の勝手な行動によってそのポジションがなくなる可能性もあるんだぞ。その責任を感じているのか。」といった感じで、私がなぜ退職に至ったのか背景等について聞かれることはあまりなく、「責任を感じろ」というのが課長の口から出た言葉でした。

 

また「会社に迷惑をかけた」という理由で有給を取らせてもらえず、それどころか「やめるのであれば今月中にやめろ」と提示した退職日よりも早く辞めさせられることになりました。

会社に迷惑がかからないように早めに申し出たのですが、、結果アパート家賃等諸々自己負担しなくてはいけなくなるなど自分の首を絞めることになってしまいました。

法律上退職日の前倒しはできないので交渉を続けることはできるのですが、「頼むから早くやめてくれ」というスタンスに絶望し、最終的には折れる形になりました。

 

 

アメリカの上司への退職申出

 

日本に伝えた後、アメリカの会社の上司に退職について話をしました。怒られるかも、と不安はあったのですが、、反応は日本とは真逆で、第一声が「おめでとう!」でした。

「迷惑をかけて申し訳ない。怒られるかと思った」と私が言うと、「そんなわけない、ここでの経験を活かして新しいことに挑戦してくれるのは嬉しい。特に若い世代は2~3年でキャリアアップして別の会社に移ることは一般的で、人が出入りして、いろいろなバックグラウンの人が融合する(mixed up)ことで会社は発展していくものだ」と言ってくれました。

 

「キャリアアップおめでとう」という言葉が最初に出たのは驚きでした。

日本っていまだにどこかで退職者を「裏切者」とする文化があって、引き留めや叱責の前に「おめでとう」と言える雰囲気って全くないですよね。うちの会社に限らず、日本企業とアメリカ企業の転職に関する違いを感じました。

 

 

転職文化がもたらす従業員へのメリット

 

ご存知の通りアメリカは日本に比べて転職による人の入れ替わりが活発で、それによって日本にはない企業文化や、従業員のメリットがあります。

 

まず一番ベーシックなものが多様性です。人種・宗教・男女の多様性だけではなく、アメリカ企業では様々なバックグラウンドの人が活躍しています。

日本企業にある、いわゆる「出世コースの王道」みたいなものって全然なくて、いろんな部署を経験する人、同じ部署で専門性を高める人、競合から転籍してくる人、退職して数年地域貢献活動をして復帰する人、、などなど様々な人が様々なキャリアパスで、出世したり、自身の活躍できるフィールドを見つけたりしていきます。

そしてそれは転職が当たり前で人材の流動性が高いからこそだと感じます。

 

アメリカに来るまで気がつかなかったですが、日本企業の「出世するためにはこういうキャリアパスを歩むべき」といった固定概念や、「出る杭は打たれる」「人と違う考えや行動は否定される」雰囲気は今となってはとても違和感を感じます。

アメリカ企業では個人のキャリア形成の形も多様で、従業員にとって働きやすい環境が整っています。

 

また転職が一般的になることで、企業が人材を確保するために魅力的な職場環境整備に取り組むようになるというメリットもあります。

その根底には「従業員がでていくのは会社の責任」という発想が強くあるからです。

会社は従業員が満足度高く働けるように、例えばリモートワークや、柔軟な勤務時間、最先端のオフィス施設、ジム、ユニークな福利厚生といった設備や制度を導入するようになり、また管理者層のマネジメントも、どうチーム員をモチベーション高く育成するかが求められます。(こっちで上司が部下を詰めたり怒鳴ったりしているのを見たことがないです。)

アメリカは日本に比べて会社ではなく個人の力が強く、企業は従業員満足度向上に注力しており、それが働きやすい環境に繋がっています。

 

 

最後に

 

退職を申し出た際の日本側の対応、アメリカ企業との文化の違いを感じ、日本企業への危機感を感じました。

おそらくうちの会社だけでなくて日本企業ってどこも似たところがあって、退職すると言い出したらなんとなく居心地が悪くなったり怒られたりすることが多いと思います。

転職者からフィードバックをもらい改善しよう、という謙虚さがない限り日本の特に大企業はますますグローバルの考え方からかけ離れていくように感じます。

 

欧米企業では人材確保のために従業員満足度を上げる取り組みが進んでいます。

日本企業は年功序列が破綻していることを本当の意味で認識し変化しない限り、今後人材が海外企業に流出していく流れは止まらないかなと思います。

 

 

、、ということで2ヶ月後から新たな仕事に挑戦します。東京でグローバルビジネスの経営企画に携わります。

これまで以上に世界中の人と英語で仕事をする機会が増えると思うので、引き続き「英語で対等に仕事ができる」ことを目標に、日々精進したいと思います。