【渡米15ヶ月での結論】日本人が世界に勝つための方法

2020年1月20日

 

 

日頃アメリカ企業で仕事をする中で日本人としての価値ってなんだろうなーというのを常々考えてきました。私自身帰国後しばらくは日本企業で「vs 海外」に携わることになると思うのですが、言語面でビハインドする日本企業がどう価値を出すか、また個人としてどうあるべきのかというのは個人的に超重要なテーマの一つでした。

アメリカに来て約15ヶ月経った今、自分の中で一つの答えにたどり着いたので今日はそれについて書きたいと思います。

 

 

結論「情報収集×改善」

 

結論から言うと、日本企業または個人として進むべき道は「情報収集×改善」かなと思っています。当たり前のような結論ですが、、なぜそう思うのか、外国人にはない日本人の特性(強みと弱み)から考えてみたいと思います。

 

 

日本人の弱み

 

日本人がアメリカ人やその他海外の人に比べて劣っている部分として「クリエイティブな思考」があります。要は「0から1を作り出す」ということです。

例えば、日本って今では世界トップの自動車生産国ですが、もともとは欧米で開発された自動車をコピーすることから始まっていて、決して日本発祥の産業ではありません。日本を代表する製品や文化ってほとんどがそうで、ラーメンもアニメも、言語すらも海外から取り入れられたもので、歴史的に日本は海外から輸入したものを進化させることで「日本のモノ」にしてきました。日本人が0から生み出したものって、、あまり思いつかないです。

 

また歴史だけでなく今の日本でクリエイティビティが育ちづらい要因もあります。

行動経済学の概念に「プライミング効果」というものがあり「行動は、見たり聞いたり体験したものに知らず知らずのうちに影響を受ける」現象のことを指します。例えば「連動ゲームをする前にあらかじめ果物の話をすると”赤”という言葉から”いちご”や”りんご”を連想しやくなる」や「学校補助金増額が争点の選挙を行う際、選挙所が学校の場合とそれ以外の場合では選挙結果が変わる(学校が会場の方が補助金増額に賛成する票が増える)」といった現象です。

ノーベル経済学者のダニエル・カーネマンの著書によると「同じようなスーツを着ている光景は創造性のプライムにならない」と述べられていて、つまり、学生のときからみんな同じ制服を着て、会社に入っても同じようなスーツを着ている光景の中で創造性は生まれない、ということです。

日本の環境自体が創造性が育ちづらい環境になっているということです。

 

 

日本人の強み

 

では日本人の強み何かと言うとそれは圧倒的に「改善すること」つまり「質を上げること」です。

 

日本製は本当に質が高いというのをアメリカにきて痛感しました。

例を挙げ出したらきりがないですが、、最近赤ちゃんが生まれたのですが、赤ちゃん用の服一つとっても日本製の質の高さは圧倒的です。赤ちゃんが快適なように縫い目が外を向いていて、暴れても簡単に着せられるようなシンプルな作りになっています。アメリカで買う赤ちゃん服は、見た目はいいんですが着せにくかったり脱がせにくかったりします。

思いつくほぼ全ての製品でアメリカ製より日本製のほうが質が高いです。

 

そして日本の高品質は、改善する力に加えて「日本人ならではの組織力」によって下支えされています。

組織力の高さってクリエイティビティという点ではマイナスになることが多いと思っていて、チームワークって詰まるところ多数決を基本にしているのでコンセンサスが取りづらい突飛な意見は否定されてしまうことが多いです。

ただある一つの目的、例えば赤ちゃん服の開発だったら「赤ちゃんにとっていい服」を着心地、素材、価格、デザイン、、と要素ごとに細分化しながらチームの意見を合わせてロジカルに改善する、といった「質を高める作業」で組織力は力を発揮します。

また先ほどのプライミング効果という点では「同じようなスーツを着ている風景は統率力のプライムになる」ことで日本ではそのような高い質をもたらす組織力、統率力が育ちやすい環境であると言えます。

 

 

「情報収集」の必要性

 

以上の強み弱みから言えるのは、日本人は0から1を作るのは苦手だが、1を2、3にするのが得意ということです。

 

そして日本人の強みを補い強化するのが「情報収集」と思っています。

日本はこの情報収集を怠った(重要視しなかった)せいで正しくない方向に質を高め、ガラパゴス化してきた過去があります。携帯電話がその代表例で、携帯を改善しまくることで世界最高の機能を持つ携帯(ガラケー)を次々と開発しましたが、一方でiPhoneを含めスマートフォンが主流になる中で、その流れについていけずスマホ開発で遅れを取り、多くの精密機械メーカーが大打撃を受けました。

「情報収集を怠った改善」は代替する技術がでてきたときに一瞬で無駄になってしまいます。

 

そして、日本が情報収集を怠り遅れをとってしまったのは「経済大国になったことで変な自信を持ってしまったこと」が原因かなと個人的には思っています。

コピーすること、パクることで成長してきた事実を忘れて「新たな価値を創造できる」と勘違いしているのではないかなと。

日本は経済大国になりましたが、それは画期的な発明によるものではないです。強みと弱みを理解して「いかに情報収集してコピーするか」に注力すべきで、それさえできればどの国も追いつけない価値が出すことができるはずです。

情報収集力で想像力は補うことができます。

 

 

会社、個人として必要なこと

 

では今後会社や個人として何が必要かというと、情報収集の重要性を理解した上で「英語力を高めて、世界で何が起こっているのか情報収集する力をつけること」かなと思います。英語でインターネット検索して適切な記事にたどり着き情報収集することもそうですし、英語でコミュニケーションを取ることもそうです。

特に個人レベルで重要なのは英語での検索&情報取得能力です。日本語サイトの情報ってやっぱり限られてますし海外の最新事例の情報は英語じゃないと手に入らないことも多いです。

 

これって実際はかなり難しくて私もまだまだ苦手な部分です。仕事で欧米の最新事例を調査することも多いのですが、英語だと必要な情報ソースにたどり着くのにも理解するのにも時間がかかるので、ついつい日本の記事を探してしまいます。

英語力を高めつつ日々意識的に英語で検索する習慣をつける必要があります。

 

 

まとめ

 

日本人が世界で勝つために必要なのは、

創造性に強みがないことを自覚した上で、「情報収集×改善」で0から1は他者(他国)にまかせて、正しい方向性で質の高い2、3を作ることに専念すること、というのが私の今のところの結論です。

またその上で必要になるのが「英語での情報収集能力」でそれは意識して伸ばしていかないといけないということです。

 

いつか日本人らしく価値が出せるように日々精進です。。

 

参考になれば幸いです。