【日本企業が米国企業に勝てない理由】「アジャイル」なアメリカ人の働き方

2019年10月14日

 

 

「アジャイル(Agile)」って最近流行っているので聞いたことのある方も多いかもしれません。

 

アメリカ大手企業に勤める中で感じた、アメリカと日本企業の文化の違いや、なぜ日本企業はアメリカ企業に勝てないのか、といったことについて「アジャイル」という視点で掘り下げたいと思います。

 

専門的な話ではなく、アメリカ人の働き方や、もっと言えばこれからの自身の働き方や考え方にも活かせる思考だと思うので、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

 

 

アジャイル(Agile)とは

 

簡単に説明すると、「アジャイル開発」とはソフトウェア開発技法の一つで、従来のウォーターフォール型の開発が「設計の段階で完成系を完璧に決めてから開発して、製品が完成してからリリースする」のに対して、アジャイルでは「最初に完成系を決めずに、短い期間(2週間)で都度リリースをしながら顧客フィードバックを吸収して徐々に完成系に近づけていく」というものです。

 

要は「長い時間をかけて完璧なもの作る」のではなく「少しずつ修正しながら素早く進める」というのがアジャイルの思想です。

 

 

アメリカではウォーターフォールからアジャイルへの移行が大きなトレンドで、下のマッキンゼーの調査によると、2017年時点で全米金融機関の46%が、会社規模でのアジャイル移行を完了しているそうです。(テック企業など業界によっては50%を超えています)

https://www.mckinsey.com/business-functions/organization/our-insights/how-to-create-an-agile-organization

 

日本でも最近多くの企業が導入を進めているのですが、アメリカに比べると普及率はまだまだです。

 

 

日本企業はアメリカ企業に勝てない!?

 

現在勤めているアメリカ企業でも5年前くらいから導入がスタートして、現在では大半のシステム開発がアジャイルにて行われています。

 

またこのアジャイルという言葉はシステム開発の言葉を超えて、「理想的な仕事の進め方」としてITに全く関わりのない人を知っているほど社内で浸透しています。

 

要は以下のような考え方です。

 

  • 最初から完璧を追い求めるのではなく、実験→学習→適用→改善のプロセスを浸透させる
  • ニーズを超えて機能を充実させるのではなく、シンプルに少しづつ機能、価値を追加していく。
  • 多くのミーティングによる同意をもとに意思決定するのではなく、プロセスをシンプル化して迅速に決定する。
  • リスク回避ではなく、素早くトライアドエラーの企業文化を醸成する

 

おそらく日系企業、特に大企業に勤めている人からすると、耳が痛い考え方ばかりではないかなと思います。

 

 

  • 役員(上司)への報告用資料を丁寧に時間をかけて作成する
  • 役員(上司)への忖度で余計な仕事が増える
  • 完璧を追い求める
  • リスク回避志向が強い
  • 意思決定スピードが遅く、新しいことを始めるのが遅い
  • 根回しで時間がとられる etc

 

といった日本流の仕事の進め方をしている限り、アジャイルのマインドセットで新たなプロジェクトをどんどん進めるアメリカ企業にこれから差を付けられる一方です。

 

アメリカ企業の製品リリースや新しい取り組みへのスピードは日本と比べものにならないくらい速いです。また社内への忖度、完璧(無駄)を追い求めるような文化は皆無に等しく、本当に無駄が少ないなあというのを日々感じています。

 

 

なぜ日本ではアジャイルが浸透しないのか

 

日本でもアジャイルは徐々に広まっていますが、アメリカに比べるとまだまだですし、そもそもこういうマインドセットは浸透しづらいかなと感じています。

(私の会社でもそうです。。)

 

その大きな原因の一つとなっているのが日本の上下関係です。

 

上下関係がはっきりしているのって、これまでのウォーターフォール型の仕事の進め方、つまり川上から川下まで仕事を流していく構造の中ではよかったかもしれませんが、アジャイルのように素早く各自が意思決定していくような進め方には向いていません。

 

日本の上下関係って結構根深くて、例えば年が一つ上なだけで使う言葉、態度を変える必要がありますよね。その中でどうしても先輩、上司への気遣いが生まれて、アメリカ人にはない報告のプロセスや忖度といった“無駄”が生まれてしまいがちです。

 

日本の上下関係は、良い側面ももちろんあるんですがバランスが大切です。上下関係による適切なマネージメントは残しつつ、スピーディーに、効率よく、トライアンドエラーを認める日本流の企業文化作りが必要不可欠です。

 

 

アジャイルの日常への応用

 

このアジャイルのマインドセットは、日系企業にどっぷり使っていた自分にとってかなり大きな学びになりました。

 

これって会社以外でも使える考え方だと思っていて、例えばこのブログなんかもそうです。

「英語のリアルな学びが誰かのためになるはず」と思い、最初はアメブロに投稿するところから始めました。するとしばらく投稿を続けているうちに投稿自体には慣れ、次第に自分のウェブサイトを持ちたいと思うようになり、それから1ヶ月くらいかけて初心者ながら当サイトを立ち上げることができました。

 

最初から「よし、ウェブサイトを自分で立ち上げてそこに毎日英語の記録をスタートするぞ」と意気込んでいたら絶対にここまで来れなかったと思います。

 

思い立ったら、とにかく始めてみること。ここでのポイントは継続できるようになるべく小さく始めることです。

あまり頭でっかちにならず、まず始めてみることで、考えるだけでは見えなかった課題や方向性が必ず見えてきます。そうしたら少しずつ改善していき完成度を高めていきます。

 

またこの考え方の大きなメリットは、簡単に撤退できる点です。小さく始めているのでうまくいかなかったらすぐにやめてしまっても失う時間やコストを最小で済ませることができます。

なので、考えすぎずとりあえず始めればいいんです。

 

といった感じで、ブログに限らず、個人的には価値観が変わるきっかけの考え方になりました。行動するハードルを下げつつ、いろいろやってみる人生は楽しそうな気がしています。

 

 

まとめ

 

アメリカ企業の話から考え方まで少し話が散らかったような気もしますが、要は、

 

  • アジャイルの考え方でアメリカ企業は新しいものをスピーディーに取り入れている。日本企業もそのことをまず認識して、社内に当たり前にある無駄を減らす努力をしていかないとやばい。(むしろ効率性としっかりとしたマネージメントが共存できれば日本企業最強。)
  • 個人としてもアジャイル流「小さく始めて素早く動く」考え方を取り入れてみてはどうか

 

ということです。

 

 

是非参考にしてみてください。